【PPDDマルチ始まる】2022.11 最近のウーバーイーツ事情

こんにちは。最近ウーバーイーツではマルチピックと呼ばれる2店舗同時配達システムが始まりました。

私も引き続き配達稼働しておりますので今回はその仕組みについて感じたことを書かせていただきます。

※ちなみに東京都内、バイク稼働です。

目次

マルチピックとは?

このブログを読んでいる方はすでにご存じの方が多いと思いますので簡単に書かせていただきます。

マルチピック = 異なる2店舗の注文商品を受け取って、それぞれ配達する仕組み

簡単に言えばこうなります。

具体例でいうと、山田さんが吉野家に注文し、鈴木さんがケンタッキーを注文したとします。

この場合、配達員は通常2名必要になりますが、マルチピックでは1名の配達員が吉野家、ケンタッキーの両方の商品を受け取りに行き、山田さん・鈴木さんのそれぞれの家に配達することが可能となります。

もちろん、商品の出来上がりタイミングが同じ場合であったり、山田さん・鈴木さんの家が近いなどマルチピックしても問題ないとシステムが判断した場合のみとは思います。

これまではこのマルチピック仕様は存在しなく、唯一”ダブル”と呼ばれる同一店舗で2注文分の商品の受け取りがありました。

上記例で言えば、山田さん・鈴木さんがそれぞれ吉野家に注文した場合に起こり得る仕組みです。

今回のマルチピックは、異なる店舗への注文でも2注文分の配達を1名で可能にしたことになります。

マルチピックのことを配達員の動きから、”PPDD“とtwitterでは呼ばれることも多いです。(Pピック→Pピック→Dドロップ→Dドロップとなる動き)

マルチピックが始まってどうなった?

では、実際にマルチピックが始まってどうなったのでしょうか?

まだ1週間程度ですので一概には言えないところもありますが、決して配達員が稼げるようになったわけではない、と思います。

配達件数、単価の両面で考察していきます。

・配達できる件数は増えるのか?

マルチピックの仕組みであれば、1人の配達員で2件分の配達をこなす機会が増えるので理屈の上では配達効率が上がり、配達件数が増える仕組みとなります。

ですが、実際に効率良く配達件数を積み上げられたかと言えば、そうでもないというのが実感です。 感想としては、

・たしかにピークタイムの配達件数は若干増加した。

・しかし逆にオフピークタイムの配達件数は減少した。

この理由ですが、ピークタイムの時間帯は注文が多いため、マルチピックによって配達件数が増えました。閑散期である11月でも1時間で4件程度は処理できる感覚でした。ピックする店舗も近いことが多く、効率的に配達できているなと思います。

ただし、逆にいうと1人の配達員の件数効率が上がってしまったため、オフピークの時間帯で注文が少なくなると待機時間が増えてしまいました。要は配達員が飽和してしまうのです。ただでさえ閑散期で注文が少ないにもかかわらず、1人で2件分の配達を処理されてしまうと、ヒマになる配達員も多くなります。

なので、必ずしも1週間のクエスト達成が早くなるとは言い切れません。私個人で言えば、ピークタイムメインに稼働するスタイルですので、多少クエスト達成するのが早くなったかな、という程度です。丸1日稼働するスタイルだと果たして効率が上がったとは言えないのではないでしょうか…。

・単価の減少…

このマルチピックで1つ明確に言えることは、単価は上がらない、むしろ下がると言えます。

マルチピックで2件分の配達をしたとしても、1件ずつ運んだ場合の料金をもらえる仕組みではないからです。

それぞれの店舗に商品を受け取りにいき、それぞれの配達先にお届けしているので単純に2件分の配達報酬をもらえても良いと思いますが、ウーバーイーツではそうではありません。(逆にwoltや出前館などはそのまま2件分の報酬をもらえます。)

結局は配達効率が上がった分、配達に要する時間はかからなくなったのでその分の報酬は差し引きますよ、ということなのでしょう。例えば、1件ずつ配達すれば20分+20分で40分の配達料金をもらえますが、マルチピックで同時配達であれば30分で済むため、10分の報酬はカットされるイメージで良いと思います。

ウーバーイーツでは報酬体系は配達所要時間の考慮が大きいと思っております。それであれば配達件数ももっと積み上げやすくなれば良いのですが先ほど上述した通りで現状はそこまで配達件数が上がらないので単純に単価が減少になったように捉えられます。

・その他気になること(配達先が不明、調理待ち)

配達をしていて1番不満に感じることは、2件目の情報(特に配達先)が分からないことです。

マルチピックのオファーは、通常のダブル案件と同様に「店舗」「配達先」の情報が表示されますが、1件分のみの表示であり、2件目の情報が全く表示されません。しかも表示された「配達先」は、配達順として1件目の場合もあれば2件目の場合もあります。表示された「配達先」が1件目だった場合、2件目の配達先は予想外となることもあるため非常に困ります。

理想としては2件分の「店舗」「配達先」の情報を表示し、配達順序も分かる仕組みにして欲しいです。最低でも最終的な配達先を必ず表示するように改善してほしいところですね。(あまり期待していませんが。)

次に、マルチピックでその他気になることは2件目のピック先店舗で調理待ちすることが多いことです。

これは特に「追加マルチ」で多いです。最初はただの1件配達のオファーですが、オファー承諾後にピック先へ向かっていると、追加の1件オファーが来ることがあります。これを「追加マルチ」とここでは呼んでいます。

この「追加マルチ」で受けた店舗にピックに行くと、結構な確率で調理待ちをします。店員さんから「なんでこんなに早く来るの?」と言われるくらいです。

おそらくですが、「追加マルチ」は本来オファーすべき時間よりも前倒しで配達員にオファーしているのではないかと推測しています。

運営としてはマルチで効率良く処理したい思惑があるのか、1件配達している配達員が近くに居たり、通り道になっていたりすると調理完成予定時間よりも早く配達員へオファーをしているのではないでしょうか。こうしてマルチピックが優先的に行われるため、何も配達案件を持っていない配達員にはオファーが減少することになります。なのでこれはオフピーク時間帯がヒマになる原因の1つでもあると思っています。

また、気になる点というわけではないですが、配達調整金はダブルと同様に上がりやすい傾向があります。見積り提示金額よりも多くなることがよく起こります。見積り時間とさほど変わらない時間で配達しても100円程度は上がります。しかしそれでも1件ずつ配達するよりも少ないと思いますが…。

結局、誰のためのマルチ配達なのか?

 マルチピックの仕組みは、誰にとってメリットがあるのでしょうか。

・運営 … 1件ずつよりも配達報酬を抑えられ、かつ、滞留していた注文を捌きやすくなった。

・配達員 … 1件単価減少で儲からない、配達件数効率もそれほど上がるわけではない。

・お客様 … マルチになると商品到着時間が遅くなる。遅くなることで商品品質も劣化する。

・加盟店 … 商品引き渡し後、お届け先までの時間が遅くなることで商品品質が劣化したものを提供してしまう恐れ。

こうして考えると、ほとんど運営しか得しない仕組みのようにも見えます。唯一、良いことがあるとすれば、これまで長距離の注文などで中々配達員が決まらなかったケースが、マルチピックの仕組みによって決まりやすくなります。(配達先が事前提示されないこともあるため。)それによってお客様の満足度向上や加盟店の廃棄ロスが無くなることについてはメリットがあると言えるでしょう。ただ個人的にはデメリットのほうが大きいと感じますが。

配達員としては基本的に”稼ぎ“が重要な部分です。ここが厳しくなると長期的にみて配達員の減少を引き起こすと思いますが、コロナ不況もあってか配達員不足になることは無い気もします。

この先も配達員にとっては厳しくなっていくのでしょうか…。

読んでいただきありがとうございました。(もしよろしければ皆様のご意見もお聞かせください。。。コメント欄からお願いします。)

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この記事を書いた人

現役デリバリー配達員。会社を退職し、デリバリー配達員として自由な働き方を体験してしまい、社畜に戻ることができない身体になってしまいました。

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